
2006年12月15日


2006年12月14日
今日はいよいよロンドンへ戻る。おとぎの世界のような、という形容詞がぴったりなコッツウォルズ地方を去るのはとても名残惜しい。日々最先端を追い求める日本にはないゆるやかな時の流れがここにはあった。中世を感じさせるノスタルジックな外観に和み、しかしながらその中にはそれなりに近代的な快適さがある。いい意味で「今」と「昔」が融合している。人々もとても大らかで、生活を楽しんでいるように感じられた。そういう面を垣間見ることができたことはとても幸せなことだと思う。
ロンドンはやはり大都会。行きかう人の多さ、車の数に圧倒されそう。さっきまでいたコッツウォルズとのギャップに戸惑いつつ、徒歩でホテルに向かう。2006年12月13日
イギリスにはいくつものフットパスと呼ばれる遊歩道があるが、このコッツウォルズ地方にも人気のルートがある。ロウアー・スローターとアッパー・スローターを往復するルートがその一つだ。滞在のボートン・オン・ザ・ウォーターからロウアー・スローターまでもフットパスが整備されていて、25~30分で行けるというので、朝食後行ってみることにした。9時半にホテルを出発、教会の脇の道を北上し、学校を左手に小道を進む。ステーション・ロードという車道に出ると左折し、A429という幹線道路に出る。これを渡るとフットパスがあるはずなのだが、なんの表示もない...。羊がいる牧草地の中に辛うじて道と言えるような一本道が見えたので、恐る恐る近づいてみると、遠くに人影が見えた。一安心で歩き始めた。それにしても見渡す限り緑。前方には道の左右にうっそうとした森が広がっている。近づいてきた散歩中のご夫婦に『女一人で行っても大丈夫...?』と聞いてみると、『No Problem!!』と満面の笑みを返してくれた。ところどころ柵があるだけで道はずっと真っ直ぐ。ぬかるんでいるところもあるが、スニーカーであれば問題ない。平坦な道を30分進んだところで、小川の流れにぶつかった。その奥に車道が見える。ロウアー・スローター到着だ!
大きなホテルが2軒、聖メアリ教会、道なりに進むとガイドブックにも載っている水車小屋とミルショップ。中世の趣そのままに時が止まっているみたい。道を歩いているのは私一人だ。アッパー・スロータには有名なマナーハウスであるローズ・オブ・ザ・マナーがあるというので行ってみたかったが、往復するとさらに1時間半かかるため断念して、ボートン・オン・ザ・ウォーターに引き返すことにした。帰りも同じ30分。今日は風が強く、寒さに涙を流しながらのウォーキングだったけれど、このフットパス歩きはいい経験になった。自分の足で村から村へ移動するというのは達成感があったし、自然を肌で感じることができた。(ボートン・オン・ザ・ウォーター⇔ロウアー・スローターの距離は普段運動不足な方にも適度な距離なのでお勧めです。)
10分ほどで到着し、早速観光案内所で周辺の見所を尋ねたところ、教会、ロイヤリスト・ホテル(イギリス最古のインとしてギネスブックに載っている)くらいとのこと...。荷物を預かってもらえるところがないので、キャリーバックをごろごろ引きずりながら散策することになってしまった。ストウ・オン・ザ・ウォルドはコッツウォルズ地方で一番標高が高いそうで、バス停のあるザ・スクエアからなだらかな坂を下っていくと、そのまた下方に牧草地が広がっているのが見えた。確かにこれといって観光スポットはないが、特筆すべきはそのアンティークショップの数だ。シープストリート周辺だけでも50近くの店があるそう。ふらっと立ち寄ったティールームでもアンティークの食器を利用しており、優雅な気持ちで紅茶を頂いた。
チッピング・カムデンは12世紀羊毛産業で発達した村で、今も尚中世の面影を色濃く残している。なるほど、今まで訪れたどの村より建物が古い様子。「はちみつ色」も濃い気がする。しかし、そんな外観とは逆に、窓越しに見る一般のお宅やレストラン、土産屋などのおしゃれで近代的な内装が印象的だった。目抜き通りのハイストリートにはレストラン(パブ)の上階がB&Bになっているインが多く見られる。今日私が泊まる「キングス・アームズ・ホテル」もその一つ。客室に通されてびっくり!B&Bと聞いていたのに、私一人では寂しさが身に染みる広さで、中央に3人くらい寝転べそうな、しかも胸の高さまである大きなベッドに目が釘付けになった。ロンドンで泊まったホテルより宿泊費はリーズナブルなのになぁ。やっぱり田舎は良心的。スタッフがフレンドリーで親切なのも一人旅には嬉しかった。
2006年12月12日
無理を言って朝7時半に朝食を用意して頂き、8時頃B&Bを出発。ロックサイド・ゲストハウスのイングリッシュ・ブレックファーストもボリュームたっぷりで大満足。冬なのに半袖のお茶目なご主人に見送って頂いた。ウィンダミアの街はまだ薄暗く、冷たい雨も降っている。8時21分、マンチェスター空港行きの列車に乗り込んだ。通学の子供達が大勢いてとてもにぎやか。
さて、今日はコッツウォルズ地方へ向けて一気に南下する。イギリス人にとっても憧れの地と言われるコッツウォルズ。ロンドンから車で2時間の丘陵地帯に『世界で最も美しい』と讃えられる村々が点在するエリアだ。今の予定では、列車でチェルトナムまで行き、バスでボートン・オン・ザ・ウォーターという村へ向かい、そこで1泊しようと考えている。9時33分プレストン着。10時29分発の列車に乗り換えて、一路チェルトナムへ!
30分強でボートン・オン・ザ・ウォーターに到着。かわいらしい街並みに胸が躍る。「コッツウォルズのヴェニス」と言われるとおり、街の中心を川が流れ、今はクリスマス前なので川の中にクリスマスツリーが立っている。石造りの家々と川、木々(今は枯れているけれど...)のコントラストがとても美しく、切り取って帰りたいと思うような風景だった。宿泊の「ザ・ダイアル・ハウス・ホテル」チェックイン後、村の散策へ。
夕食は、宿泊ホテルのレストランにて。イギリス政府観光局作成の冊子にもその名が登場するところだ。思えば今回の旅で初めてのまともな夕食...。まず、ソファルームで食前酒を味わう。暖炉があり、とても落ち着ける大人の雰囲気。その後、ダイニングルームに移動し、前菜とメインをオーダーする。挙動不審でさぞかし怪しかったことだろうが、トマトベースのスープと奮発して牛フィレ肉のステーキを選んだ。窓からは川に立つクリスマスツリーが見え、とてもロマンティック。(一人旅の寂しさをかみ締めました...。)近年コッツウォルズでは食に重きを置き、オーガニック食材にこだわる店も少なくないそうだが、ここもそうなのだろう。野菜の味がしっかりしていて、お肉もやわらかく、とても美味しかった。2006年12月11日
そういえば昨日は夕食をとらずに眠ってしまったので、朝から食欲旺盛だ。これぞイギリスのB&Bと言えるイングリッシュ・ブレックファーストはとてもおいしかった。ウィンナー、ハム、マッシュルームソテー、焼きトマト、スクランブルエッグ、そしてトーストとボリューム満点。朝食の後、ブレンダさんに無理を言って他の客室を見せて頂いた。どの部屋も清潔で、すっきりとまとめられている印象。とても居心地のいいB&Bだ。


