大自然の王国・ウダ・ワラエ国立公園(ジープ・サファリ)、
固有動植物の楽園・シンハラージャ森林保護区
、
南欧の雰囲気漂う城塞都市・ゴール旧市街とその要塞
、
ライト・ハウス・ホテル、
ベントータ・ビーチ・ホテル
[ベントータ/ベントータ・ビーチ・ホテル泊]
4:30日本から持ってきた目覚まし時計が鳴り、起きてシャワーを浴びる。昨晩依頼したモーニングコールはかかってこない。5:20に自分で荷物を持って玄関に行くと、ドライバーが車を磨いていた。パーリタさんの部屋もモーニングコールがなかったらしく、10分ほど遅れてようやく来る。モーニングコールがなかった事をボーイに対して怒っているが、自分には遅れてすみませんと謝らない。
15分遅れの5:45にホテルを出発し、ウダ・ワラエ国立公園の入り口に向かう。
20分ほどで入り口に着く。まだ日は昇っておらず真っ暗である。6:00から入場できるということだったが、受付けにはまだ人がいない。10分ほどして係員が目をこすりながらようやく出くる。ジープに乗り換え、ジープ・野生の王国に踏み込む。
ウダ・ワラエ国立公園は、国中に数カ所ある国立公園の中で、最も象の頭数が多いと言われている。
広大なジャングルに日が昇り始める風景がとても美しい。
薄明かりから日が昇って明るくなるまでの時間の短さに驚く。明るくなってすぐに1頭目の象と遭遇する。
さらに車を進めると数頭の象の群れが進路を塞いでいた。群れに近
づいてエンジンを止める。静かに観察していると、触れるくらいの近くまで来る。小さな小象もいてかわいらしい。ジープに同乗した現地係員が象を兆発すると、いきなり耳元で象が大声を発し、びっくりしてカメラを落としそうになる。
エンジンをかけると、象は逃げるようにジャングルの中に消えて行った。象は臆病な動物で、自分が人間よりも大きな体を持っていることを知らないとパーリタさんはいう。
広大な草原をひたすら走る。途中孔雀や様々な種類の鳥を観ることができる。孔雀は朝だけ木の上にとまり、昼間は地面にいるそうである。
1時間くらい走ったところで湖の淵の広場にたどり着き、ここで車を降りる。
水辺にはフラミンゴや美しい色の水鳥が羽を休めている。あやうく象のウンコを踏みそうになる。しばらくしてヨーロッパ人のジープがやってきて、彼らはかなり興奮していた。
ここから天気の良い日なら遠くアダムス・ピークも見る事ができるらしい。アダムス・ピークとはシンハラ語ではスリー・パーダと呼び、そそりたった山の上に寺院がある聖山である。
15分ほどそこで時間を過ごし、自然の放尿もして再びジープに乗る。
「象と鳥以外の動物が観たい」とドライバーにリクエストする。ここでは他に大きな動物では、ワニ、ヒョウ、オオトカゲ、イノシシ、シカが生息している。小動物は多種生息しているが、ジャングルに隠れて観れることは稀だという。ワニかヒョウが観たい!水溜りが大きくなったような池や道のないところに入り込んでもらうが、結局観ることができず、野生の王国を退場した。
8:35サニーに乗り換え、西へ。目的地はシンハラージャ森林保護区である。これまでの行程で最も細い山道を車はスピードを抑えながら進む。シンハラージャはスリランカにある7つの世界遺産のひとつであるが、唯一の自然遺産である。世界遺産に指定されるほどの森林を目指しているのだから、道が悪くなっていくのも当然かと納得する。途中車窓から滝も数カ所見られた。車は田舎どころか、本物の原生林にどんどん入っていく。
11:30シンハラージャの入り口のレストハウスに着く。
入場券売り場で外国人用の入場料をパーリタさんが払うと、専用のガイドが同行してくれる。普通にじっくり歩いて観るためには14kmを4時間くらいかけて巡るのがよいそうなのだが、自分はこの後ゴールに行く予定もあるので、6kmを2時間で歩くことにする。
シンハラージャが世界遺産に指定された理由の大きな1つとして、ここにしか棲息しない固有種の動物が確認されているだけで83種もあるということだそうだ。
橋を渡ったところからが原生林。足場の悪いところや、川の石の上を渡ったりして、最初は辺りを観る余裕がない。途中から慣れだし、カメラを持ってじっくり周囲を観察しながら歩きはじめると、自分が本物のジャングルに踏み込んでいたことに気付かされる。注意して観ていると、サルやトカゲ、リス、色々な動物に遭遇する。大ムカデが道を這っていて、木の先でつっつくと、丸まって防御の姿勢を取る。1分くらいするとまた元に戻り、何事もなかったように這い始める。
ピッチャー・プラントは筒方の植物で、蓋が開いている。ここに昆虫が入ると、蓋が閉まりその虫を食べる仕組みになっているらしい。
3km歩いたところで、リサーチ・センターという建物があり、中では遠足の学生達が弁当を食べている。この場所で標高475mある。来た道とは違う経路で戻る。
2時間といわれていたが、1時間半で6kmの行程を終える。
13:10出発、ゴールへ。
道中、昼食場所がなかなかなくて困る。15:00にようやく道路沿いのローカルなレストランを発見し、入る。
ほったて小屋のようなレストラン。6日目にして初めて、外国人用のレストラン以外の店での食事である。米を野菜などと一緒にチャーハン風に炒めたものに、カレーソースをかけて食べる。腹が減っていることもあってかかなりおいしく、完食する。飲み物はビールがなかったので、コーラを飲んだ。
再び車でひたすら走り、17:00頃にようやく海岸道路に出る。久しぶりに見る海。スリランカ南西に広がる黄金海岸。かつてここにたどり着いたマルコ・ポーロが絶賛した海岸。海岸沿いの道路を南下し、ゴールには日が落ち始める17:40に到着する。7つ目の世界遺産「ゴール旧市街とその要塞」、名前のとおり世界遺産を巡ってきた自分の今回の旅のゴールである。
16世紀にポルトガルがここに漂着し、この国を統治した。城壁に囲まれ、シンボルである時計台と燈台が美しい町並は、南欧の古い街の様子に似ている。
時計台から見渡せる緑のスタジアムはクリケットの球場である。スリランカでは、クリケットが最も盛んなスポーツで、いたる所でこども達がクリケットに興じている姿を見る事があった。ちなみに国技はバレーボールだそうだ。
18:30ゴールで最高級のライト・ハウス・ホテルを視察する。カンダラマ・ホテルと同じ設計者の作品であるホテルは、なるほどと思わされるほど、美しい海岸とポルトガル人が上陸した歴史に調和した素晴らしいホテルで、いたるところでムードをかもし出す演出が見られる。
施設をひととおり見終える頃、海に日が沈む。
島の南西に位置するここから観る夕日の美しさは「美しい」という言葉の他に表現する言葉が見つからない。
ライト・ハウス・ホテルを出たのは19:00。沈み行く夕日を見終えてからなので、真っ暗である。黄金海岸沿いの道路を北上する。2車線以上の整備された道路が久しぶりだなぁと思う。ビーチリゾートが並ぶこの道路沿いには、様々な店が並び、アジアのビーチらしい雰囲気が続く。
20:00ベントータ・ビーチ・ホテルに到着。ベントータビーチでは、タージ・エキゾティカに次ぐデラックスリゾートである。部屋も広く、バスタブはないが、その他設備で不自由はない。腹が減ったので、荷物を部屋に入れてすぐレストランに向かう。
たくさんの人でほぼ満席のレストランにはやはりヨーロッパ系が多いが、韓国人旅行者も数人見られた。ブッフェスタイル。レストランを出た広いテラスでは、様々なバーベキューメニューもある。
夕食を終え、部屋に戻った頃、ドンドンという大きな音がするので、バルコニーに出てみると、ビーチ手前の庭園で大きな花火があがっていた。
今日はかなり疲れたので、シャワーを浴び、早めにベッドに入る。部屋の外はヨーロッパ人達がにぎやかである。これまで毎夜ホテルを転々と滞在してきたが、どこに行ってもヨーロッパ系の観光客は夜元気である。別にホテルの壁が薄いわけでないが、自分が寝る頃にはベッドに居て聞こえるほど騒がしい。どのホテルに行ってもたくさんのヨーロッパ人が滞在していて、いったい何人のヨーロッパ人がこの国に来ているのかと考えさせられるほどであったが、昼間観光地ではあまり見かけなかった。彼らは遺跡を観にくるというよりもビーチや森林のリゾートホテルそのものを楽しみにきているようである。
22:00おやすみなさい。